顔にみえる

かねつきの台から
お寺を見ると
屋根のまたぎという瓦が目に見えて
唐戸が口で
本堂が大きく口を 開けているように
見えてきます
吸い込むように
入っておいでと
呼んでいるようにみえてくるのです










天井の木目が なにかの形に 見えてきたりすることありますよね
この現象に名前はあるのでしょうか

娘はお寺の紋が 顔に見えるらしく
これ誰?と聞いてきます

こおろぎ

帰ってきて 家の中に入ると

なぜか こおろぎの声がします

今年は こおろぎが 多かったのでしょうか

家の中に たくさん 入ってきます

多数決でいえば

このお寺の住人は

こおろぎでしょう

お寺に住まわせていただいている

私たちです







逃しても 逃しても 家の中に 入ってきます

よほど お寺の 居心地が いいのでしょうか

うしろ

あるとき むすめが
左を向いて くるっとからだを
いっしゅうさせて いいました
「うしろってどこやっけ?」

うしろはここやで というと
むすめは振り向きます
振り向くと後ろでなくなります

うーん なんだか 哲学的










子どもの質問って面白いですね

たぬき

いぜん たぬきを 中庭でみた

こっそり住んでいたのだろう

それから いちども みていない

もうお寺には住んでないかもしれない

すっかり忘れたころ

おばあちゃんが  

たぬきの糞の山をみつけて 困っていた

たぬきもトイレはこっそりするらしい

わたしは こつそり 嬉しかった









また たぬきに 会いたいなぁ